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小林ますみ歌集『鏡』 29.10刊 
2019-05-28
小林ますみ歌集『鏡』
 この歌集は昨年秋、入院を前に本人の編集した歌集で、昭和42年角川「短歌」に掲載された作品以降、平成29年までの作品の中から、愛着深い作品を抄出した作品集である。師事した菊池知勇主宰の作風、指導に傾倒した優れた作品群であり、昭和47年、師の亡きあと「ぬはり」『野榛」『天象」をとおして、見事な作品的自己完成を果たした先達である。
 また、「天象」では運営編集委員・選者として会員の作品指導、結社の発展・充実に輝かしい貢献をされた。その功績は現在の「天象」の作品に浸透結実している。
 この歌集は病の篤い中での出版で発行部数は極めて僅少で、平成30年7月25日の告別式前後に親しい仲間に贈呈された。覚悟の歌集であり、本人の判断で遺されたこの歌集は、後進への無言の文学的道標となった。
 著者の小林ますみさんは、平成30年7月21日ご逝去された。
 作品にお偲びする。
・言葉また詩歌も虚し震災の廃墟は春の草燃え拒む
・ほうたるの蒼きひかりの明滅や幽界顕界隔つともなく
・蕗の薹、土筆、蒲公英、仏の座、地にせつなし春の具体は
・新緑の輝く朝のをさなごのきらきらとせる無傷のことば
・マヤ暦のこの世最後といふ刻を瓦礫吊り上ぐクレーンの腕
・またあした 茜さす日のうつろふにこの世しばしは夕光浄土
・今ここにあなたもあなたも在るはずを 被災空間この無際限
・神仏に帰依するこころ揺らぎつつ白きむくげの落花を拾ふ
・野仏に触れて消えゆく春の雪かくひそかなれわれのをはりも
‣擦り減りし石の地蔵の薄き耳かつて嘆きしことも風化す
 著者の小林ますみさんは、平成30年7月21日ご逝去された。
 作品にお偲びする。
・言葉また詩歌も虚し震災の廃墟は春の草燃え拒む
・ほうたるの蒼きひかりの明滅や幽界顕界隔つともなく
・蕗の薹、土筆、蒲公英、仏の座、地にせつなし春の具体は
・新緑の輝く朝のをさなごのきらきらとせる無傷のことば
・マヤ暦のこの世最後といふ刻を瓦礫吊り上ぐクレーンの腕
・またあした 茜さす日のうつろふにこの世しばしは夕光浄土
・今ここにあなたもあなたも在るはずを 被災空間この無際限
・神仏に帰依するこころ揺らぎつつ白きむくげの落花を拾ふ
・野仏に触れて消えゆく春の雪かくひそかなれわれのをはりも
‣擦り減りし石の地蔵の薄き耳かつて嘆きしことも風化す
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